老い方について考えることはありませんか?
私は、時々考えます。

できる限り、穏やかな老年期を過ごしたいな。
長生きできても体がつらかったら嫌だなあ…。
そんな悩みの解決法を一緒に考えてくれる、「老い方」の教科書をご紹介します。
作者や出版社は?
久坂部さんのプロフィールをご紹介します。
✔️30代のはじめに、海外の日本大使館で医務官として勤務
✔️帰国後、老人デイケアを併設したクリニックで勤務
✔️2003年に作家デビュー



現在は、医療小説や生き方・人生論など、幅広い分野でご活躍中です。
こんな人におすすめ!
「老い方」について知りたい
医療の裏側に興味がある
認知症患者の現実が知りたい
私はまさに、穏やかな老年期を過ごしたいという思いから購入しました。



「老いる」ことがつらい方へ、きっと気持ちが軽くなりますよ!
読んだきっかけ
タイトルが気になってパラパラ~と読んでみたところ、認知症について
「患者本人は認知症になったことを悔やんでいない」
という一文が書かれていました。
認知症は悲観的な側面から語られていることが多いので、衝撃を受けました。
「これは新しい考え方じゃない?」と、じっくり読んでみたくなって購入しました。



認知症への考え方が変わるかもしれません。
本の内容は?この本を読んでわかること
どんなことが書いてある?


著者の久坂部さんは、多くの高齢者と接することで「老い方が上手な人」と「老い方が下手な人」のそれぞれの共通点を見出されました。



こちらの書籍では、ご自身の経験から「上手に老いる方法」について解説されています。
下記の章ごとに分類されています。
・第二章 手強い認知症高齢者たち
・第三章 認知症にだけはなりたくない人へ
・第四章 医療幻想は不幸のもと
・第五章 新しいがんの対処法
・第六章 ”死”を先取りして考える
・第七章 甘い誘惑の罠
・第八章 これかはどう老いればいいのか
本文中で特にじっくり読み込んだのは、
✔️認知症患者の現実
✔️医療の進歩は素晴らしいという医療幻想
✔️自殺を願う人の苦しみ
✔️安楽死の必要性
について書かれているところです。
著者の久坂部さんは老人デイケアのクリニックに勤務されていたので、様々なタイプの認知症患者を診察されてきました。
その実体験から、認知症の予防や薬、介護などについて語られています。



読み応えたっぷりの内容です。
心に残ったポイント



本書の中で、素晴らしいなと共感した箇所を引用します。
元気なうちに悔いのないよう過ごそう


そんな人生の最後の最後に、不自然な医療行為を施して、未練と執着と愛情で苦しむ必要があるのでしょうか。
人はどう老いるのか
それなら元気なうちに悔いのないよう十分なことをしておけと言いたいです。
久坂部 羊
久坂部さんは、延命処置によって患者に苦痛を与えてしまうことに懐疑的な姿勢を持たれています。
患者本人が希望しているならともかく、患者に苦痛を与えてまで生命を維持する必要があるのでしょうか。
人生の最後に延命を望むよりも、
元気なうちに精一杯活動して、悔いのない日々を過ごしたい!
と思います。



“今”が一番若い!
老いてから後悔しないように動こう。
“今”、動ける時に動こう
命よりも大事なものがある


私も今、命よりも大事なものがあると思っています。それは苦しまずにいるということです。救いようのない苦しみに苛まれたら、私は命を捨ててでも楽になりたいです。
人はどう老いるのか
久坂部 羊
著者の久坂部さんと同様に、私も「苦しむこと」が何よりも怖いです。
体やメンタルの不調など、様々な原因があります。
著者の久坂部さんは、本文で延命治療について言及されています。
たとえば、延命治療を受けるよりも、
自然な寿命を受け入れて、医療に近づかないようにする
↓↓↓
✔️治療による苦痛やストレスがなくなる
✔️検査結果に左右されない
✔️薬の副作用に悩まされない
✔️医療費に悩まされない
など、よいことが満載です。



数年前に健康診断を受けることをやめました。
病院に行く回数が減って、病気に関するストレスが減りました。
この本を読んで変わった!
今日できることは今日やろう


「人生は限りあるもの」と意識することで、日々を充実させようという気持ちになります。
若くて健康に過ごしていても、明日病気にならない保証はありません。



先延ばしせずに、
「今日じゃなくて明日でもできること」を、できる限り今日やろう
と、心がけるようになりました。
例えば、
- 行きたい場所には、すぐに行く
- 食べたいものを食べる
- 興味のあるイベントには積極的に参加する
- お盆休みなどの長期休みを待たずに、レジャーの予約を入れる
などです。
数ヶ月後や一年後には、周囲の状況が変わっているかもしれません。
その変化の影響で、やりたいことができなくなる可能性があります。
その結果、「来年旅行に行こう」じゃなくて「今年、早めの日程で旅行に行こう」と考えるようになりました。



最近も、子どもが喜びそうな旅行の計画を立てました♪
感想
自分の生を大切にして生きよう
改めて、
自分や周囲の人を大切にしながら、人生を生きていこう
と決意しました。
もし、明日自分の余命を宣告されるようなことがあれば…とうてい受け入れられそうにありません。
受け入れられないのは、日常的に死と向き合っていないから、という理由もあると思います。
どこか、他人事のように考えているような気がします。



もっと生や死を意識して、日々の生活に緊張感を持つようにします。
そして、人生目標を設定しました。
- 穏やかな老年期を過ごすこと
- 自然な寿命を迎えること
です。
この目標を達成することができたら、「わが生涯に一片の悔いなし!!」(by『北斗の拳』)です。



価値観がガラッと変わるかもしれない一冊です。
ぜひお手に取ってみて下さい。