こちらの作品は映画化が決定していて、2025年4月4日に公開予定となっています。
作者や出版社は?
作者の森沢明夫さんは、小説がたくさん映画化されている大人気作家です。

小説の他にも、エッセイやノンフィクション、絵本など幅広い分野で活躍されています。
こんな人におすすめ!
キラキラした青春小説が読みたい
感動したい



読むと心が温まって、ほっこりした気持ちになります…!
読んだきっかけ
もともとなにわ男子のYouTubeや歌が大好きで、メンバー皆さんのご活躍を拝見していました。
その中で、いつも明るくて笑顔が素敵な長尾さんを、気がつけば目で追うようになっていました。
そんな長尾さんが出演される映画の原作が気になって、文庫本を購入してみました。



素敵な小説に出会うきっかけになった、長尾さんに感謝です♪
本の内容は?どんな話?
どんな話?



心也と夕花の関係性が少しずつ変化します。
二人の距離感に注目です!
『おいしくて泣くとき』の名言



本書の中で、「これは名言!」と感じた大好きなセリフをご紹介します。
雨が嫌いじゃない。毛羽だった心を落ち着かせてくれるから。


わたしは、子どもの頃から雨が嫌いじゃない。
おいしくて泣くとき
雨音も、水の匂いも、やわらかくにじむ世界の彩りも、毛羽だった心を落ち着かせてくれるから。
森沢 明夫
夕花の独白(モノローグ)。
放課後、心也と学級新聞の作業をしている場面。
学校の教室の窓から、激しく降っている雨を見つめている。
「やわらかくにじむ世界の彩り」「毛羽立った心」という表現が本当にきれいだなあと深く心に残りました。
「雨が嫌いじゃない」理由をこんなに美しく表現することができるなんて…!と感動しました。



大好きな文章です!
人の幸せは、『自分の意思で判断しながら生きているかどうか』に左右される


「人の幸せってのは、学歴や収入で決まるんじゃなくて、むしろ『自分の意思で判断しながら生きているかどうか』に左右されるんだって」
おいしくて泣くとき
森沢 明夫
心也の父、耕平のセリフ。
心也が父に『大衆食堂かざま』のことで、とあるお願いをした時に返ってきた言葉。
もともとは、心也の亡くなった母の言葉である。
息子に対してこの発言ができる耕平が、とても魅力的に思えました。



まだ中学生の息子に「学歴や収入で決まるわけじゃない」と言えるなんて、父親としてすごくかっこいいですよね。
また、もともとは亡くなった母の言葉であるというところが素敵です。
両親二人揃って、心也に生き方を説いているように感じられます。
この本から得られた気づき
何事も自分の意思で決断すること
常識や世間体にとらわれずに自分で決断することが、幸せな未来につながる
心也は、父の耕平が日頃から言っていたように自分の意思で判断した結果、夕花との逃避行を実行しました。
夕花もまた、幼なじみの心也を信頼して頼りました。
二人とも、自分の意思で決断したことです。
この逃避行だけでなく、きっとその後の人生も自分自身で生き方を選んだのでしょう。
だからこそ、ラストの温かな奇跡を起こすことができたのだと思いました。



大切な女の子を守った心也は、最高にかっこいいです…!
感想
心也と夕花の逃避行が、あまりにもキラキラしていてまぶしかったです。
決して幸せな状況ではないのに、二人がうらやましくなるぐらいでした。
二人の逃避行がキラキラしたものに感じられたのは、それがずっと続けられるものではなくて、その瞬間だけの時間だとわかっているから。
切なさを含んでいるからなのかも、しれません。
そして、ラストの温かな奇跡には本当に驚きました。
驚きの後に、胸がいっぱいになって泣けます。



心が洗われる、すごく素敵な小説です。
ぜひお手に取ってみて下さい。