レビュー 瀬尾 まいこ『そして、バトンは渡された』/家庭環境は複雑でも、幸せなんだ

瀬尾まいこさんの長編小説「そして、バトンは渡された」を紹介します。

本作品で瀬尾さんは2019年本屋大賞を受賞されています。
2021年に映画が公開されています。

目次

作者や出版社は?

作者:瀬尾 まいこ
出版社:文藝春秋(文春文庫)
発売日:2020年9月2日(単行本は2018年2月22日)

チカチカ

瀬尾さんの家族愛にあふれた小説です。

こんな人におすすめ!

こんな人におすすめします

・家族愛にあふれたハートフルストーリーが好き
・時々寂しい気持ちになる
・とにかく面白い小説が読みたい

この小説の特徴を考えながら上記を書きましたが、どんな人にもおすすめしたいです。
とにかくあたたかい小説です。

あまりに素晴らしかったので、一人でも多くの人に手に取っていただきたい作品です。

読んだきっかけ

・瀬尾まいこさんの小説「夜明けのすべて」がすごく良かったので、他の作品も読みたくなった
・ネットのレビューで大絶賛されていた

チカチカ

文春文庫50周年のフェアで限定カバーで発売されていたのもきっかけのひとつです。
限定ものに弱いです…笑。

本の内容は?どんな話?

主人公の女子高生・森宮優子には二人の母親、三人の父親がいます。
優子は学校で友達といざこざが起きてもあまり動じない、いつも冷静でどこか大人びています。
そんな優子を取り巻く家庭環境の変遷、友達や恋人との人間関係が長編で書かれています。

優子が大人びているのは、今まで親が何人も変わってきた決して順風満帆とは言えない生活を送ってきたから…?

これは家族の愛の話です。

親全員の愛情があたたかい

この小説に出てくる優子の親全員が、優子に対して深い愛情をもっています。
関わり方はそれぞれ違うけれど、みんなが自分なりの方法で優子に愛をもって接しています。

優子のことを思って「再婚しない」と言っていた三人目の父親の森宮さん。
本当の父親ではない森宮さんが一番優子にとって安心できる存在で、一番親らしくて素敵でした。

チカチカ

血のつながりよりも実際に側にいて関わりがあるか、ということが大事なんですね。

キャラクターが魅力的

特に二番目の母親の梨花さんと三番目の父親の森宮さん
二人とも優子と血のつながりはないけれど、優子を心から愛しています。

梨花さん
二番目の母親。華やかでとてもかわいらしい人。
行動力があって時には突拍子もないことをするが、それも全部優子のためを思ってのこと。
全力で優子を愛している

森宮さん
三番目の父親。優子へのあふれんばかりの愛を惜しむことなく表現する。
子どもっぽいわがままな一面もある

今まで何人もの親が優子の側を離れてしまいました。
森宮さんは大丈夫、家族として親として絶対的な場所で存在してくれている
優子はそんな森宮さんを一番信頼していました。

この本から得られた気づき

人に優しい自分でいたい

この小説がまとっている雰囲気が「優しさでできている…」と思えるぐらいにあたたかい作品なんです。
このあたたかさがいとおしいです。

そしてこんなことを考えます。

・人に優しくしていたらいいことがありそう
・私もこんな素敵な人間関係を築きたい

そのためにも、人に優しい自分でいたいです。

チカチカ

読後感がとっても心地良くて幸せなんです。

感想

小説の前半は読みながら主人公の優子と森宮さんのテンポの良い会話を楽しんでいました。
気がつくとページをめくる手がとまらなくて一気に読んでいました。

優子に二人の母親、三人の父親がいるということは最初のほうで判明しているので、その経緯が気になるんです。

チカチカ

優子の親はなんで優子の側を離れたの?
新しい父親とはどうして結婚することになったの?

これらの答えはもちろん小説の中にあります。
登場人物全員が魅力的だからこそ惹きつけられて続きが気になって読まずにいられなかったです。

ネタバレになるので詳しい内容は避けますが、ラストはじーんとして泣いてしまいました…
瀬尾さんは一体何人の読者を泣かせてきたのでしょうか笑。

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下記の記事で瀬尾まいこさんの「夜明けのすべて」を紹介しています。
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