人気声優、佐々木望さんの東大受験に至るまでの過程や勉強法について書かれた本です。
作者や出版社は?
声優の佐々木望さんといえば、すぐに思い浮かぶ代表作は「幽☆遊☆白書」の浦飯幽助役ですね。
「幽☆遊☆白書」のアルバムに収録されている佐々木さんの歌うキャラソンが好きで、何度も聴きました。
かっこいい美声にうっとり…。
本書では佐々木さんがなぜ東大受験をすることにしたのか、それまでの経緯が丁寧に書かれています。
読み応えありますよ!
こんな人におすすめ!
効率の良い勉強法が知りたい
社会人の学び直しについて興味がある
何かに挑戦したいと思っている人の背中を押してくれる一冊です!
佐々木さんのファンの方はもちろん、大人になって勉強したい意欲が出てきた人にもおすすめです。
読んだきっかけ
声優の佐々木望さんが東京大学を卒業された時にネットニュースになり、東大に通われていたことが判明しました。
有名な声優さんでしたので「あの佐々木望さんが?」「あの東大に!?」と驚きました。
在学中のことがネットで記事になり、興味深く読みました。
私が気になったのは
仕事をしながらどうやって勉強する時間を捻出したんだろう?
大学生活はどのように過ごしたんだろう?
といったところです。
本書に詳しく書かれていますよ。
管理人は佐々木さんが出演されているドラマCDを持っています。
林原めぐみさんと共演されている「東京ジュリエット」です。
原作は北川みゆきさんが少女コミックで連載されていたマンガです。
主人公がデザイナーを目指すサクセスストーリーでこちらもとっても面白いです♪
本の内容は?おすすめポイントを紹介!
どんなことが書いてある?
本のタイトルからもわかるように、佐々木さんが東大を目指した経緯やどのような方法で受験勉強を乗り切ったかということが書かれています。
一般的な勉強術の本とはちょっと違うのが、佐々木さんの大学受験に至った経緯です。
本書のメインテーマは東大の受験勉強法ですが、佐々木さんがすごいのは東大に合格したことだけじゃないんです。
佐々木さんは声帯炎を発症したことが原因で、声優の仕事を続けながら自力で発声の方法を変えられました。
マルチタスクの天才なのでは…?
それぞれの受験科目の勉強法や参考書も紹介されています。
おすすめポイント
本書でこれは!と思った文章や好きな箇所を紹介します。
三日坊主のススメ
「三日坊主」であっても、それをしなかった三日に比べて、それをした三日は、その人にとって貴重な経験になる。
声優、東大に行く 仕事をしながら独学で合格した2年間の勉強術
佐々木 望
三日坊主というと、「物事を三日しか続けられなかった。飽きてしまった」などのネガティブなイメージが湧いてきます。
しかし佐々木さんは、三日坊主や一日坊主をポジティブに捉えています。
佐々木さんのこの前向きな考え、とても素敵だなと思いました。
勉強することで自分の選択肢を増やす
学ぶことは自分の選択肢を増やすことでもあります。
声優、東大に行く 仕事をしながら独学で合格した2年間の勉強術
自分の選択肢がたくさんあれば、自分の可動域が広がります。より自由に考え、より自由に動くことができるのです。
佐々木 望
勉強によって得た知識を使うも使わないも自分次第。
その選択の自由を手に入れることができる、という話。
私が読書している理由も一緒なんです。
「いろんな人の考えが知りたい」
「考えを知ったうえで多くの選択肢がほしい」
選択肢が増えることで人生は豊かになります。
私は本書を読んだ結果、この記事を書くという選択肢を採りました。
記事を書くことで改めて言葉遣いについて考える機会になりますし、語彙も増えます。
お気に入りの文房具を選ぶ
好きな文房具を使うと勉強へのモチベーションも上がりますよね。
そして、マークシートの試験では芯の太いシャープペンシルを選んで使っているとのことです。
その理由は、マーク箇所を塗りつぶす時間を短縮できるから。
なるほど…!自分の大学受験の時にそれに気づいていたらと悔やまれます。
受験当時0.5ミリのシャープペンシルで「なかなか塗りつぶせない!」とイライラしながら塗りつぶしていたことを思い出します。
今後マークシートの試験を受ける時は芯の太いシャープペンシルを使います…!
この本から得られた気づき
”いつか”じゃなくて”今”やろう
いまの私がたとえどれほど強い意志の力をもっていたとしても、未来の私がそれと同じ意志を同じ強さでもっているかどうかはわかりません。もっていないことの方が多いことは、経験からもわかります。なんならまったく別の意志を未来の私がもっていることだってよくあります。
声優、東大に行く 仕事をしながら独学で合格した2年間の勉強術
だから、「未来の自分」を信じないのです。
佐々木 望
佐々木さんは未来の自分を当てにしない、けれどそれはネガティブな意味ではないとのことです。
計画を立てる時は「未来の自分」を仮定しないほうがスムーズにいく、という意味です。
このことから、私は「やりたいことはいつかの未来じゃなくて今やるべきなんだ」と考えました。
佐々木さんもタスクを後回しにしてしまうことはよくあると書かれていたので、同じ考えなのでは?
後回しにすると、その時には自分の気持ちが変わっているかもしれませんし、自分の意志だけではどうにもできない環境が変化している可能性もあります。
やりたい気持ちになった時にやりましょう!ということですね。
自分も頑張ろうと思える
資格勉強や受験勉強はもちろん、それ以外の日常生活の家事や雑事、何だっていい。
私も何かを頑張ろう!とポジティブな気持ちになります。
それでいて、がむしゃらに!というよりも穏やかな気持ちでマイペースに頑張ろうと思える本なんです。
というのも、この本全体に優しい空気が流れているような気がするんです。
例えば…本書から佐々木さんの言葉を引用します。
勉強に飽きてきたら、無理に集中しようとはしないで、飽きるままに、その日の勉強はすっぱりとやめました。
声優、東大に行く 仕事をしながら独学で合格した2年間の勉強術
佐々木 望
えっ、勉強をやめてもいいんですか?
佐々木さんは大変な努力家でしょう、それなのにこんなに優しいお言葉が書かれているとは…。
「一緒にチャレンジしよう、だけど無理せずに」
この本からはそんな佐々木さんのメッセージが聞こえてくるような気がするのです。
勉強の効率化について考えるようになった
本書における社会の勉強の章で、佐々木さんは日本史の教科書を読むのが苦痛で頭に残らない…と書かれていました。
ここは、特に強く「そうそう!」と共感した箇所です。
佐々木さんは「この勉強方法では覚えられない」と判断したら別の方法を考えます。
これは…勉強法の断捨離…!
頭の良い方は自分に合った勉強法を見つけるのが上手なのですね。
私は大学受験当時に「日本史覚えられないよー」と涙目になってそのまま頭を抱えながら覚えていました。
今思えば、
・どうしたら覚えやすくなるか
・どうしたら得点を稼げるか
というところまでは考えが及んでいませんでした。今気づきました。
勉強が苦痛だと感じている時は、他の勉強法や参考書を変えてみるなど一度違う方法を試してみるのもありですね!
感想
声優の仕事をされながら46歳の時に東大に合格した佐々木さん。
超人のように思えてしまうのですが、意外や意外(?)本書では共感できるところが多かったのです。
「勉強に飽きたらやめる」「日本史が覚えにくい話」など。
共感できるところが多いから、「自分も何かできるかもしれない」「自分も頑張ってみようかな」と前向きな気持ちになれます。
特にそれぞれの科目の勉強法について書かれているところは、今後勉強をする時に参考にさせていただきたいなと思いました。
読み手に優しく語りかけてくるような文章で頭にスッと入ってきます。
何度も読み直したい大切な本になりました。